ジャイロゼッター「ヤツメノオロチ」編


久しぶりに「超速変形ジャイロゼッター」デザイン裏話です。

先日、ツイッター上でアンケートを取りまして次のお題をファンの方に選んでもらいました。たくさんの方に票をいれていただきました。本当にありがとうございます。

・・・ということで要望第一位の今回のお話。

ミツオカ合体のジャイロゼッター「ヤツメノオロチ」です。

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光岡自動車の「オロチ」「ビュート」「ガリュー」の三体が合体したジャイロゼッター。アーケードゲームでは新1弾から登場。アニメの終盤、ライバルキャラ・トーマの専用機として猛威を振るっていました(多分)。

各車ともにメカデザインは別の方で、オロチは鷲尾直広氏、ビュートは渭原敏明氏、ガリューは池田幸雄氏の担当とバラバラでした。他のメカデザイナーさんのデザインを間接的に扱う事になって、やや戸惑った思い出があります。今となっては、この三体のデザインを交互に比較しつつ、一つのモノにまとめる作業はとても勉強になったと思っています。

 

RX-Ω・ランエボZERO・GT-RRR等、これまでの合体型ジャイロゼッターは基本的に同型の車種三台で合体してましたが、このヤツメノオロチに関しては光岡車三車種による合体という珍しい仕様です。

個性的なデザインの既存の合体マシンとの差別化を意識しつつ、オーダーされたテーマはこちら。

 

 

「裏社会」

 

 

ヤ〇ザやマフィア等々の闇の世界の住人、まさに裏社会の象徴をモチーフにしたいとの事でした。

思えばビュートがバニーガールスタイルだったのも頷けますね(考えすぎ?)。合わせてオロチの「蛇」モチーフ。ガリューの「ギャング」モチーフ。悪そうな素材がいい感じにそろっています。

光岡自動車さんが車メーカーとしてどう思っていたのかが興味深いです。

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基本オロチベースが理想とのオーダーだったので、デザインの方向性としてはミツオカオロチの大型化パワーアップバージョン。牙や爪などを強調したトゲトゲしいパーツ構成。凶悪で攻撃的なイメージを踏襲したスペシャルマシンを目指しています。

「オロチ」「天叢雲剣」等のフレーズから日本神話の八岐大蛇のイメージも引っ掛けてみようと、腕には大きな牙を持つ有線式の蛇頭を装備。腰にはビュートのウサ耳ビームバルカン。背面に、ガリューカラーの大型マント。肩には、ミツオカ系のファイナルバースト「天叢雲剣」をイメージした紫の十字パーツを配置して威圧感と大物感を演出しました。

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合体マシンのデザインルールとして、車体のフロント部分を目立つように配置することになってます。胸部にオロチ、肩と腹部にビュート、背中にガ リューのフロントが見えます。背面は、ガリューのマント姿をそのまま配置したイメージですが、ミツオカエンブレムを大きく配置していることに注目です。

デザインのスパイスとして、マントと、蛇腕と、くるぶしパーツに蛇柄のようなディテールを入れて大蛇(オロチ)らしさを強調しています。

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ジャイロゼッターの合体マシンのルールは基本的に、玩具のような整合性は求められていないため、それっぽく三体が合わさったようなデザインであればOKです。

このミツオカに関しても条件は同じではあったのですが、他に比べて個性的で体型の違う三機のロボットの合体なので、「いかにも合体してそうなパーツ構成」を心がけるようにしました。

頭部は、オロチの頭部がさも分割したかのように展開。肩部も同じく蛇目を中心にして装甲が花のように開く構成にしています。こうすることで、「合体」するためにボディの形状を変形させている感と、オロチの特徴を残しながらパワーアップしてる感を演出することができます。

ビュートの女性型ロボらしいセクシーな腰のクビレをそのまま胴体部に組み込み、大柄な体型に比した細身の腰に見せることでメリハリの効いたスタイリングを再現しています。合わせてビュートの太ももを股間に配置。実はヤマタノオロチにデザインの肝はここなんです。

このパーツがあるお陰で、ビュートがさも埋め込まれたかのように「合体」してるように見えるんですね。

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思ったよりも形状が複雑化したので3Dモデリングの参考に、側面図も用意しました。

こちらからはデザインが完成するまでの大まかな流れです。

初期段階はあまり考えることなく手癖だけでザクザクスケッチを進めていきます。今回特別だったのは「三体合体」案件なので、あらかじめ三色に色分けさせつつイメージを固めていきます。

時系列的に右から左にスケッチが進んでいってます。

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シルエットのイメージはすでに完成されていますね。この段階では、まだガリューの赤紫部分がボディに配されています。槍武装やらドラゴン形態を提案したりと結構やりたい放題なんですが、叩き台としてはこれで十分です。

マフィアの親分には定番の「コートを肩から羽織っているシルエット」が欲しい。と、早い段階からオーダーされていました。その名残で、肩の裏にガリューのウェポンベイを兼ねた筒状のパーツが見えます。

 

 

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ラフ二稿目。ガリューの要素はすべて背中側に持っていくことに。ここからさらにゴテゴテ感がすごいです。その割りに色々と物足りない感じで、頭の中で大真面目にアイデアをこねくりまわしてる段階です。このあたりから、無駄な要素はできるだけ省略・統合していこうと考えます。

 

 

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三稿目。スタイルをできるだけシェイプしつつ、肩の「天叢雲剣」を入れ込むデザイン。さらにビュートの太ももを追加。紫の差し色でグッと色のバランスが良くなりました。今回は合体構成よりも、各部の色分け、カラーリングに気を使いました。

 

合体ロボだけど、ホントに合体しなくてもいい。でも合体ロボっぽくしようと思い立って、よそ様のデザインを元にまとめた合体ジャイロゼッター「ヤツメノオロチ」。

なかなか難産だと思わせておいて、実は想定していたよりも早くにまとまった印象です。やはり素材となる個性的なデザインがあったればこそです。それぞれの生みの親である三名のメカデザイナー様には感謝です。おかげで素敵なジャイロゼッターを生み出すことができました。

youtube等で検索していただくと、ファンの方のプレイ動画を見ることができます。ヤツメノオロチ、正直デザインよりも動画で動いているのを観る方が

圧倒的にかっこいいです!

是非ご覧になってみてください。

あと、内緒ですが。ゲッターロボとレッド・ミラージュが大好きです。